GUIN SAGA - グイン・サーガ

SPECIAL

インタビュー

[第5回] アフレコインタビュー

オンエアスタートまであとわずか!TVアニメ『グイン・サーガ』の第7話アフレコ終了後に合同取材が行われました。

取材に参加してくださったキャストの皆さん。 グイン役、堀内賢雄さん リンダ役、中原麻衣さん レムス役、代永 翼さん イシュトヴァーン役、浅沼晋太郎さん スニ役、矢作紗友里さん ナリス役、内田夕夜さん アムネリス役、渡辺明乃さん アストリアス役、石井 真さん ――キャラクターのご紹介と演じてみての感想をお願いします。 堀内賢雄さん 栗本薫先生のヒット作である『グイン・サーガ』の主人公を演じられることは光栄ですし、誇りに思います。グインは、孤高なところもあり、悲哀もあり、哀愁もある。あまり頑張りすぎずに演じています。原作も途中まで読ませていただいていますが。記憶の戻っていないグインと、作品をこれから知っていく自分とを同期化させたいので、収録が終わったところまでを読み進めようと思っています。グインの気品であったり、包み込むような優しさを表現できればいいですね。

中原麻衣さん
リンダはパロのお姫様であるがゆえに、気位の高い女の子です。
年相応の見た目に反して大人びた一面を持っている一方で、いろんなことに首を突っ込みたい、どんな場所にも行ってみたい、グインを見ても動じないといった好奇心旺盛なところがあります。

代永 翼さん
リンダと双子のパロの王子で、リンダとともに唯一生き残った王族です。リンダがしっかりしているのに対し、レムスはとても気弱で、なかなか自分からは行動をせずに、リンダの後ろに隠れてしまうような男の子です。それはこれまでパロが繁栄してきたことの象徴なのか、はたまたお父さん、お母さんからとても大事にされていたことの裏返しなのか、守ってもらっているような存在ですね。演じている僕自身も、「レムスもう少ししっかりしろよ!」と言いたいけれども、そこがレムスの良さであり、彼の優しさなのかなとも思っています。誰にでも打ち解け、仲良くなれるところは、姉のリンダとはまた違った彼の魅力ではないかと感じています。

浅沼晋太郎さん
イシュトヴァーンは、スニと共にこの作品の陽の部分を担っていると思います。ストレートにものを言うのですが、飄々としているのでどこまでが本気なのかがよく分かりません。また、勝負での勝ち負けもわざと負けたのではないだろうかと深読みできてしまうようなキャラで、僕自身謎の多い人物だと感じながら演じています。ただ深く考え込んでしまうと彼の陽気さは出ないので、謎だと感じる一方で面白さを出していこうと取り組んでいます。

矢作紗友里さん
スニはセム族という種族のラクと呼ばれる部族の長老の孫娘です。
人間の言葉がしゃべれないですが、リンダは一生懸命に言葉を教えようとしてくれています。ちょっとずつみんなとコミュニケーションを図れるようになってきてはいるのですが、早くみんなと会話できるようになっていけたらいいなと願っています。

内田夕夜さん
ナリスは、リンダとレムスのいとこにあたる、パロの王位継承者の1人です。
パロの国のクリスタルパレスに住む公爵で、古い歴史と伝統を持つパロを代表するカリスマ性を持った男であり、歴史によって洗練された部分と歴史のよって築き上げられた暗部を同時に持ち合わせています。言葉と心情が裏腹であることが多いような謎めいた人物になります。

渡辺明乃さん
アムネリスは、モンゴール国の皇女で自ら白騎士隊を率いて戦場に赴くようなうら若き女性です。若いにもかかわらず部下に命令を下し、使っていきます。
この作品が始まったくらいのモンゴールは、栄華を極めているのですが、物語が進んでいくにしたがって衰退していく「盛者必衰の理」にもあるような厳しい情勢を迎えます。
演じていて感じるのは、意外と世間知らずなところがあって、誰かがついていないと何も出来ないのではないかということです。上からものを言うことはできるけれど、奥深いところまでは分からない。そんな危うさがある女性だと思います。

石井 真さん
そんなアムネリスが大好きなアストリアスを演じています(笑)。
アストリアスは“ゴーラの赤い獅子”と呼ばれる勇猛果敢な猛者なのですが、けっこう無謀なことをします(笑)。思うに本当は青臭い兵士なんでしょうね、きっと…(笑)。
とにかく人の上に立つのは向いていない戦士で、演じていてとても滑稽に感じます。でもそれも勇ましさ故の滑稽さで、アムネリスに対しては子供のような恋愛感情を抱き、自分の思うが侭に生きている点は、ある意味いちばん自由なキャラなんじゃないかと思わせます。そんな自由なキャラを思うが侭に演じられることを楽しみたいです。

-演じられての感想をお願いします。

堀内賢雄さん
話ではグインをロボットアニメのヒーローのように演じていましたが、以降は気品や大きな優しさを意識して、やや抑えた感じの主人公にと演技的には変えています。面白いなと思うのは、考えれば考えるほどグインは魅力的で、リンダやレムスのことを名前では呼ばずに“子供たち”と言っているところは、自分の小さい頃にも実際にいた人物を彷彿とさせます。「逃げるな」「弱音を吐くな」「前に進め」といったセリフを懐かしく思い、グインのキャラクターの良さを感じます。
TVアニメの完成試写を見たときに、本気度を感じる仕上がりに鳥肌が立つほど感動しました。そうした作品に携わることができて幸せに思うと同時に、ぜひともヒットしてほしい気持ちでいっぱいです。

中原麻衣さん
ようやくレムスのヘタレにも慣れてきました(笑)。
レムスの「リンダ待ってよぅ」という台詞があるのですが、本当に置いていこうかと思ってしまいました(一同笑)。

代永 翼さん
TVアニメというよりも、1本の劇場アニメをつくり上げているようなクオリティの高さ、スタッフのみなさん、そしてキャスト一同力のこもった作品だと実感しています。公式サイトに上がっている予告トレーラーはほぼ毎日のように見ています。
収録も話が進んでいくうちに、この先の展開が気になるドキドキ感、作品世界の広がりに対する期待感が高まります。また、中原さんも話されていましたが、演じている僕自身もレムスにはイラッとさせられます(笑)。毎回、「もうちょっと、しっかりしろよ~」とエールを送りたい気持ちなのですが、レムスには男らしくしてほしいと思うのと同時に、この先モンゴールの方たちが加わって旅を続けるにあたって、今度はどんな形でイラッとさせてくれるのか?期待感が芽生えてきます(笑)。

浅沼晋太郎さん
イシュトヴァーンは、日本で最初に描かれた男のツンデレかもしれないと思っています。リンダに対してどう思っているのか分からないし、スニにことも「猿」「猿」といいながらも、ついてくるスニに可愛がる仕草を見る。グインに頼まれたこともヤレヤレといった表情で受け応えるしで「なんだこのツンデレは…」と思いながら演じています(笑)。
でもある意味彼は人間味溢れるキャラクターで、男らしさと、可愛さを持ち合わせています。なので、演じるにあたっては絡む相手に対して、どういう感じで付き合っていくのかを意識します。そしてイシュトヴァーンが関わる人たちに対してどう感じているのか、また彼がどう思われているのか、セリフにない感情の部分も楽しんでいます。

矢作紗友里さん
スニは人間の言葉をしゃべらないので、セリフが多いわけではありません。なので、もうちょっとしゃべりたいです(笑)。
イシュトヴァーンには、セム語をしゃべってもまったく伝わらずに「何言っているんだコイツ」というリアクションをされます。ですがグインはセム語を理解してくれて、スニが放った一言に長い解釈を加えて説明してくれる。とてもありがたいなと思っています。
スニを演じていてとても楽しいのですが、早くみんなのワイワイやっている中に加わりたいなと願っています。

内田夕夜さん
第1話の試写を見たのですけれども、サーガという言葉に相応しい仕上がりだなと思っています。と同時に、僕らキャストは作品が出来上がっていく後半の部分で声をあてるという作業をするわけですが、ここまでつくり上げられてきたものに恥じない芝居をしなくてはいけないというプレッシャーも感じました。
この先、物語が進んでいくうちにキャラクターもどんどん変わっていき、花開いていきます。視聴者のみなさんにも、今の段階も楽しいのですが、その変わっていくさまも楽しんでもらいたいなと思っています。

渡辺明乃さん
アムネリスはこれでもかというほど、小難しいセリフを言っていて、台本をつっかえずに読むのだけでも大変です。絵が出来上がっているうえ、とても綺麗でお芝居がつくりやすいと実感しています。状況がすぐに分かるのでありがたいです。
あとは、初登場の時に、代永さんに「リンダは予知ができるけど、レムスは何ができるの?」と聞いたのに対し、「人をイラッとさせることができます」と言った代永さん言葉が忘れられません(一同笑)。
アフレコスタジオも和気藹々としていますし、ベテランから若手までキャストも賑やかで自分も先輩を追い越せないまでも、せめて歩み寄れるくらいのお芝居をしなくてはと身の引き締まる思いです。

石井 真さん
僕は途中の話数からアフレコに参加させていただいています。
こうした大河ドラマでは途中からみなさんの中に入り込むのは難しいのかなと思ってスタジオに来たら、意外と温かく迎えていただいて、すぐにみなさんの輪に溶け込むことができました。とてもいい現場だと思っています。

-序盤の見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。

堀内賢雄さん
これまでアニメ化したくてもできなかった作品が待望のTVアニメ化。僕にとっても嬉しいことですし、ファンの方にとってもそうだと思います。一生懸命に演じて、みんなで素晴らしいものをつくっていきたいですね。
125巻以上ある小説の全部をアニメに出来るように、いつまでも続けられるように、皆さんの力をお借りして頑張っていきたいと思います。

中原麻衣さん
今回、アニメをきっかけに小説の方を読ませていただきまして、あらためてこの作品が昔からずっと続いている作品であること、自分が生まれ育ってきたもの時代とは違うものが描かれているなと感じました。その当時に流行していたものであったり、問題に感じていたことを描かれていると思うので、ただ物語を追いかけていくのではなくて、その当時何があったんだろうか?当時の人であったらどんなことを考えるのであろうか?という部分を考えながら演じたいなと思っています。
『グイン・サーガ』のファンの人には、きっと当時から読んでいて好きな方が多いと思うのですけれども、そのファンの方たちがアニメを見て「これも1つの形の『グイン・サーガ』だな」と思ってもらえるようなアニメになればいいなと思いますのでぜひ応援してください。

代永 翼さん
見てくださるファンのかたたちにも、演じている僕たちにも、毎話毎話先の展開が気になる、欠かす事の出来ないシリーズになると思います。原作の持つ魅力に加えて、アニメがもたらす雰囲気を味わっていただきたいです。現代に甦った『グイン・サーガ』を見ていただだきたいなと思います。原作を読まれてこられた方にとっても納得して見ていただける仕上がりですし、それぞれのキャラクターに待ち受けている運命は原作では味わえない臨場感で表現されます。またアニメからこの作品を知る方にも、僕自身アニメをきっかけに原作を読ませていただきましたが、次の巻が気になるほど展開のドキドキ、ワクワクさせられましたので原作と併せて楽しんでもらいたいなと思います。久しぶりにアニメで描かれる“サーガ”「来たな!!」と感じさせられる、歴史ロマンを存分に楽しんで見ていただきたいです。

浅沼晋太郎さん
7話でのまさかのお色気シーンは必見です(笑)。本気だからこそ面白いアストリアスのおもしろシーンにもご注目を(笑)。
第1話の完成試写の時に見た時に音楽の素晴らしさを痛感いたしました。また、キャラクター個々に描かれる運命と絆が「国」というマキシマムな舞台の中で動いていき、翻弄をされていく。そうした群像は、TVアニメとは思えないスケールの大きさ、奥深い描写で見るものを惹き込みます。まさにみんなの本気を感じさせるTVアニメ『グイン・サーガ』のオンエアを楽しみにしていてほしいと思います。何度も見てほしい作品です。どうぞよろしくお願いします。

矢作紗友里さん
毎回すごく絵がキレイで、ワクワクさせられる展開に私自身オンエアを楽しみにしております。スニ的にはみんなのマスコットになれるように、愛されるキャラクターになるように頑張っていますのでぜひ見てください。

内田夕夜さん
愛読者と視聴者の間にはギャップが出るかと思いますが、作品そのものは気合を入れてつくっていますし、よりいいものをつくりたいという気持ちは胸を開けて見せてあげたいほどです。
ナリスは栗本先生の一番のお気に入りのキャラクターだと聞いております。特別なことをするというわけではないのですが、その想いを感じながら頑張っていきたいです。

渡辺明乃さん
キャラクター1人1人が個性的で、魅力に満ち溢れているのが印象的です。なのでどのキャラクターもきっとすぐに覚えてもらえると思います。原作は自分が生まれる前から連載されている作品で、その作品にアムネリスとして出演できることが光栄です。そしてこの歴史のある作品を今、アニメ化してもまったく遜色を感じない、名作と呼ばれる原作の素晴らしさを感じます。まだ連載が続いているという状況の中で、アニメが始まるのはいい意味でのプレッシャーではありますが、原作の持つ素敵なイメージとアニメになることの素晴らしさの2つを感じてもらえたら嬉しいです。
世代を超えて『グイン・サーガ』でつながっていきたいですね。

石井 真さん
アストリアスは使えないと思っています(一同笑)。
赤騎士隊の中隊長にしてはちょっとひどいですよね(笑)。誰よりも頑張ってはいるのですけれども、彼の場合、それが思うが侭なんです。
それはさておき、肉厚のしっかりとしたストーリーがあるこの作品を、少しでもテイストに添えるように演じていきたいと思っています。ヘンに汚してしまわないように、常に心がけていきたいです。見ている視聴者の方たちが、このアニメを通してもう1回原作に立ち返る、もしくは新たに原作を手に取って読んでもらえる。そういった『グイン・サーガ』熱を伝えて、一大旋風を巻き起こせるようにと頑張ってまいります。

-本日はありがとうございました。